木造防音室の技術革新

防音職人が確立した薄い防音設計システムは、木材加工・合板業界、土木・機械工学の業界の専門情報を分析して生まれたものです。

例えば「合板」は面材としての強度が高く、効果的な剛性補強及び振動抑制効果を高めることができます。繊維方向を直交させて加工された構造用合板は、その典型です。

合板は単板に比べてコインシデンスが緩やかで、重ねて施工することによって弱点を補正することが出来ます。無垢材は適度な遮音性と吸音性を持つ建築材です。合板と組み合せることによって、木造音楽室の快適な音響を創出することができます。

また、土木業界で使用されているアスファルト基材は「音の機械振動に対する吸収性が高い」という特性があり、我が国で最も古い防音材です。

車業界では樹脂(塩ビ含む)や高密度フェルト材・軟質ウレタンによって、薄型の遮音・制振構造を実現しています。

私は各業界のベテラン技術者やメーカー担当者に製品情報を提供していただき、独自の視点で分析しながら自分の担当現場(新築住宅や木造防音室を含む)において実践して検証してきました。

以上の概要が防音職人の設計技術の重要な基礎となっています。

木造防音室における「薄い防音構造」は、専門的な防音材だけでなく、無垢材を含めた一般的な建築材の特性を活かしながら組合せて構築することによって可能になったものです。

自分の技術が優れているとは思っていませんが、必要に迫られて生まれた技術です。ここまで来るのに、独立開業後約20年が経過しました。

建築における防音設計の業界は、非常に保守的で異分野の素材を活用することに消極的でした。さらに木材の機能を軽視する傾向が強く、木造・木材の利点を相乗効果という観点で分析してきませんでした。このことが木造における「薄いコンパクトな防音設計の技術革新」を妨げていたのです。

木造防音の最新技術を追求する

木造住宅と木造防音室の防音設計の最新技術は音の制振・絶縁・減衰機能を高める仕様・構造を構築することを目的としています。 業界では素材・構造体の周波数特性とともに軽視されていた分野です。 特に木造に適した薄い防音対策を追求してきた事例や方法論について考察します。

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