ネット検索では古い防音設計が探れない

若い建築士や防音設計のエンジニアは、新しい情報をネットで集めることは出来ますが、現在は古いマニュアルや失敗事例などはネット上には出てきませんので、限界があります。

要するに実務経験が乏しい技術者は、専門知識や設計手法に偏りがあり、防音材メーカーの自己申告データを鵜呑みにする傾向があります。施工要領も留意点を知らないので、工法や設計仕様も失敗することがあります。

古いマニュアルにも、変わらない真実・定石があり、それを無視すると防音効果が半減したり、逆効果になる場合があります。

このため、防音設計の新しい技術を開発するには、古いマニュアルの知識も必要です。私の場合は古い遮音設計マニュアルや音響学会・建築学会の資料など書籍・専門雑誌のバックナンバーを図書館(国会図書館を含む)で調べ、必要な資料をコピーして集めました。

ネットでは、失敗事例や欠陥製品に関する情報を収集して総合的に勘案して分析しました。それと自分の体験と担当現場の検証で補完しました。約10年前までは失敗事例もネット上で集めることが出来ましたが、現在は殆どネット上で見つけることが出来ません。(※防音材メーカーや専門業者にとって都合の悪いデータは削除されています)

経験則は、実務経験と読書量が重要であり、どちらも不可欠です。ネット検索だけでは十分な情報を入手できないのです。

木造防音の最新技術を追求する

木造住宅と木造防音室の防音設計の最新技術は音の制振・絶縁・減衰機能を高める仕様・構造を構築することを目的としています。 業界では素材・構造体の周波数特性とともに軽視されていた分野です。 特に木造に適した薄い防音対策を追求してきた事例や方法論について考察します。

0コメント

  • 1000 / 1000