遮音は防音材の組合せ・工法で変化する
普通の防音材通販サイトや建築会社のウェブサイトには、製品単独の遮音性能(透過損失)の表示や概要説明しか記載されていません。
しかし、防音材は建築材との組合せ方や工法など施工要領によって防音効果が変化します。たとえば、遮音ゴムマットはほぼ右肩上がりの遮音性能を示しますが、石膏ボードなど硬質遮音材は複数の周波数帯における弱点があります。※ペアガラス・単板ガラスも同様です。
特性の異なる複数の素材・製品を組合せると弱点が補完されるだけでなく、相乗効果が生まれます。これが新しい薄型防音の理論の根拠の一つです。
下の画像は、遮音ゴム(軟質高比重遮音材)・石膏ボードの透過損失を示しています。両者を組合せて施工すると、相乗効果が生まれる周波数帯が幅広く見られます。これは材質や比重・柔軟性などの特性の異なる製品がうまくマッチした結果です。
このような組合せは、現場の施工と音測定調査によって検証された経験則の一つです。これが実践的な防音設計に生かされます。単独の製品の遮音性能は目安にはなりますが、仕様書・施工要領に基づいた具体的な設計・工法がなければ、効果的な防音工事は出来ません。
0コメント